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14年前の夏、友人と同じ時期に犬を飼い始め、犬も含めてよく一緒に遊んだ。
「ラブラドールの子犬の里親募集」とあった新聞広告が切欠だった。
大きな犬に抱きついてもふもふわっさぁしたい!と私が要求し、ラブラドールなら大型犬でも飼い易いんじゃないかと見に行った。
ころころよたよたと歩くたくさんの子犬共の中で、人懐っこい女の子を連れてかえった。その場で一番私に懐いた子だった。
名前は「りん」。自分がつけた、呼びやすくて古風な名前が良いと思った。
(後に、錫とか鉄とかテルルとかポケモンのNNに付ける自分の片鱗が伺える)

印象通り人懐っこくて誰にでも懐いた 警戒心0で愛想振りまきまくった。
とても立派な犬小屋を2回壊した 犬小屋の屋根の上でぴょこぴょこ飛び跳ねているのを見て色々諦めた
友人と友人の犬と一緒に暗くなるまで走り回った 尻尾を振る時はぶんぶん振り回すので当たると痛かった
お気に入りのぬいぐるみのお尻を抉り中身を引きずり出し放り投げて遊んでいた 庭に3Mの大穴を開けて自慢げにしてた
室外に出していたら室内に入れろと跳ね回って網戸を突き破りやがて強化ガラスを壊した 部屋中の椅子の足に歯型が沢山付いた
ドライブが好きだった 窓から鼻先を出して喜んでた 風で耳がぱたぱたとはためいていた
何故かみかんが好きだった パンもドッグフードもキャベツだって 食べることが大好きだった
キッチンに立つと横でじぃぃっと待っている ゴミ箱の中に顔を突っ込んであさるし お風呂場の石鹸を食べたこともあった。
帰宅したら尻尾をぶんぶん振って迎えてくれた いっつもふにゃぁっと笑っているような顔をしていた。
優しくて賢くて明るくてお転婆な子犬だった。子供だった自分と一緒に歳をとって成犬になった。それからりんはおばあちゃんになった。 


1年半前、腹の辺りにしこりが出来た、その時は良性だったようだ。
同時期に友人の犬にもしこりができた。こちらは、悪性だったそうだ。
そして、今は良性だけどこれが悪性になったら終わりだよ と獣医に告げられた。

段々歩みがゆっくりになってきた 顔が白くなってきた がっつかなくなった
やおい顔つきになってきた 家中どこに行くにもべったりついてきた 今まで以上に甘えてきた。

暖かくなってきた頃から少し
こけたり 走らなくなったり 散歩中でも息が上がることが多くなった。
咳き込み始めた 寝ている事が多くなった 出迎えも少なくなった 家の中でついてこなくなった 起き上がるのがしんどそうだった
しこりが他の箇所にも出来てきていた


9月に入ってすぐの朝、とても早く目が覚めてなんとなく嫌な感じがして犬を見に行くと血を吐いていた
体温は低いのにしこりだけは熱を帯びていた

病院に行った
肺を中心に体中真っ黒と真っ白でぼんやりとしたレントゲン写真を見せられた
もう分かっていた言葉を聞いた
良性だったしこりが体中に転移し、悪性になった。末期の状態 余命は一週間。
この状態では普通自力で歩けないよ と言われた。今朝も一緒に散歩したのに
痛みを和らげる薬を頂いた お世話になっていた院長先生が 後悔しないようにねとだけ言った。

ドッグフードを食べなくなったので、肉やレバーや魚や卵なんかをを高級缶詰に混ぜてあげたら美味しそうに食べた。
ご飯を変えるとなんだか急に元気になって走り回った ドライブにも行ったし 散歩も沢山した。


9月の終わり、限界が来た。終に起き上がれなくなった。
大好きだったご飯も食べなくなった。
寝たきりだったけど、顔を近づけたら顔だけ僅かに起こして自分を見た。
鼻筋を撫でると目元が下がってとても優しそうな顔をしていた。

このひと月、貰える休みは全部貰った、寝る時もずっと横に居た。
ずっと、今日がヤマか、今晩がヤマか、と思い続けてきた。

10月6日、午後から予定があった。様子を見ながら家を出るか迷っていた、静かに眠っており様態は安定しているように見えた。
これなら大丈夫かなと思い、世話を父に頼み、犬に「そろそろ出掛けるよ」と声をかけ撫でていた。

そうすると、穏やかに一定の間隔で上下していた腹と呼吸が少しずつ静かになっていった
いつもは顔を少し動かして私を見る瞳の焦点がぼんやりしていた
少し苦しそうだった
自力で呼吸が出来ないようだった
名前を呼んでも反応が無かった
何度か息を吹き込んだけど戻ってこなかった
もうだめなんだなと思った
諦めて腕の中に抱いた
数分そうやってやがて腹が動かなくなって体温が下がっていって、目の光が消えた。
あまりにも静かだった 同じ部屋でテレビを見ていた父は私が呼ぶまで気づいていなかったくらいに静かだった。
たった数分程度の出来事だった、私の腕の中で私の目を見て息を引き取った。
あまり実感は湧かなかった、あとは父に任せ少しして普通に出かけた。


帰って、本当に動いていない姿を見た、死んでも尚、鼻や口から大量の血が出ていた。
獣医の話によると肺にガンが行き、呼吸が辛かっただろうと、そこから血が出ていたんだろうと。満身創痍だったんだろう。
どこを触ると喜ぶか嫌がるか把握していた、鼻筋や耳の後ろを撫でても目元は下がらないし、鼻先に息を吹きかけても耳を引っ張っても嫌がらなかった。
首元をもふもふしても抱きしめても冷たくて固くて動かなくて、思いっきり腕に力を入れても嫌がらなくてそこでやっと涙が出た。

翌日、車に乗せて焼きに行った。乗せる為に抱きかかえるとまた血が300mlくらい出た。力がなくて重たかった。
火葬場で骨にする直前にもう一度抱きしめた時にやっぱり冷たくてたまらなかった。また血が出た。
一人で、骨になるのを待っている時間、思い出す顔は楽しそうな顔ばかりだった。
本当に優しくて賢くてとても強い子だった。死んでからもずっと出血し続けていた、ガンとどれだけ闘ってきたのだろうか。
2時間程度で骨になった、思った以上に綺麗に残っていた、化石が好きなせいもあって美しいと思った。
特に綺麗な前足の骨はカラカラの持っている骨みたいに形が綺麗だった。
骨は49日辺りに土に返すと良いらしいので庭に埋めることにしているが、小さくて状態が良い物は別に包んでもらった。
ショーケースに飾ってある、我ながら悪趣味だと思う。


写真や物を少しずつ整理している。
一緒に成長してきたのに同じ時間を生きられないのは辛い もっと一緒に居たかった。
こんな思いをするくらいなら犬なんか飼うんじゃなかった、とも思った。
でも母は写真を整理しながらりんが変な顔をしていると言ってけらけら笑っているし、私も本当に良い思い出ばかり思い出す。
写真を見返すと去年逝った友人の犬と走り回っていたり、穴を掘って楽しそうにしていたり、楽しそうな顔ばかりだ。
寂しくなってしまったけれど、多分、りんは幸せだったと思うし、それ以上に幸せをくれた。
看取らせてくれた、ゆっくりとじっくりとお礼とお別れを伝える時間をくれた。
余命一週間と言われてから、苦しかっただろうにりんは一ヶ月生きた。一度は元気になって一緒にドライブをして散歩をした。
今も出かけようとした事と諦めたことは悔やんでいる。そして、最期を看取らせてくれた事は感謝している。
りんと一緒に居ることが出来て、本当に良かった。大好きだ。

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